循環器内科

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高血圧

高血圧の診断は、もっぱら血圧測定から始まります。一般的に診察室や医療環境下での血圧が140/90(収縮期血圧/拡張期血圧)mmHg以上の場合高血圧と診断されます。しかし、血圧は測定する時間や季節、場所、その時の体調や精神状態でも大きく変化します。診察室では血圧が高くなる方も多くおられます(白衣高血圧といいます)。それとは逆に診察室では低くなる方もおられます(仮面高血圧といいます)。そのため、1・2回の血圧測定で高血圧と診断してしまうのはやや乱暴な様に思われます。そこで、当院ではご自宅で測定した血圧(家庭血圧)を重視しております。血圧が気になる方はご自宅でリラックスした状態で測定し、ある程度の期間(1~2週間程)続けて測定してください。測定時間は朝(食前)、夕(眠前)をお勧めしております。自宅での血圧が135/85以上が続く様であればご相談いただければと思います。
また、血圧の薬(降圧剤)の内服に関して患者さんから「飲み始めたらずっと飲まないといけないのでしょう?」と聞かれることが多くあります。確かに続けて内服していただいている方は多くおられますが生活習慣の改善(塩分制限や運動、ダイエット等)で改善される方もおられ、降圧剤を減量、中止できることもあります。
高血圧は予防医療です。今現在の血圧を下げることも重要ですが3年先、5年先に起こりうる心臓疾患や脳血管疾患の予防が真の目的と考えております。

血管の動脈硬化による疾患

血管の動脈硬化により生じる代表的な疾患は狭心症や心筋梗塞、脳梗塞やPAD(末梢(まっしょう)動脈疾患)などがあります。いずれも動脈硬化により血管内腔が狭くなり血液の流れが悪くなることにより起こってくる疾患です。これらの疾患を予防するには可能な限り動脈硬化を起こさせないことが重要となります。血管に動脈硬化を生じさせる原因として高血圧や糖尿病、高コレステロール血症、喫煙、肥満等が代表的なものであり、これらを改善することが治療法となります。すでに動脈硬化が進行し血液の流れが悪くなっている場合でも薬物療養(血管拡張作用、抗凝固・血小板作用)や血管内カテーテル治療(バルーンや血管内ステント治療)バイパス手術等の治療法があります。

不整脈

不整脈にはいくつかの種類があります。急を要するものから治療の必要がない危険性の低い不整脈までさまざまです。不整脈の症状として動悸(どうき)や脈が飛ぶ感じがする、または倦怠(けんたい)感やふらつき、さらには意識消失発作を起こすことがあります。同様の症状や心電図異常を指摘されたことがある方は検査をお勧めします。検査は心電図検査を行いますが検査時には不整脈を認めないことはしばしばあります。そのため24時間心電図検査(極軽量の記録装置を胸に付けて24時間の心電図を記録します。入浴中も測定できます)を行うことにより日常生活中の心電図変化を測定することもできます。治療はそれぞれの不整脈において違いますが、抗不整脈薬の内服が一般的です。しかし、緊急性を要する場合は注射での投与を行う場合もあります。また、内服治療を行っても改善を認めない場合はカテーテルアブレーション(カテーテルを使った血管内治療)という治療法があります。徐脈性不整脈(脈の回数が極端に少ない場合)ではふらつきや意識消失発作を起こす場合があります。その場合はペースメーカー植え込み術が必要となります。

心臓弁膜症

心臓は左心室、左心房、右心室、右心房という四つの部屋に分かれています。全身から心臓に帰って来た血液は右心房に入り右心室→肺→左心房→左心室→大動脈を通過して再度全身に送り出されます。各部屋の入り口と出口には弁がついており開閉を繰り返しております。心臓弁膜症とはその弁が十分開かなくなったり、本来の流れとは逆の方向に血液が流れてしまう病態をいいます。その原因は加齢性、動脈硬化性変化や先天的形態異常、心臓疾患に付随して生じます。軽度の弁膜症では自覚症状を感じることはありませんが進行しますと労作時の息切れが症状として現れやすくなります。診断は心臓の聴診にて雑音を聴取することや心電図、心臓超音波にて行います。治療法としては根本的な病態である弁の狭窄(きょうさく)や血液の逆流を内科的治療で改善することはできませんが、まずは病態に合わせた対症療法が中心となります。急速に進行する場合では外科的手術が必要となります。